もぐら

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もぐら

僕はもぐら ずっと巣穴にこもってる ここしか僕の居場所がないんだ がんばって、お母さんもぐらとおしゃべりしても気を遣って疲れちゃう お父さんもぐらとは滅多にお話もしない 他の兄弟もぐらは皆おうちを出ていった 僕の居場所は土の中のおうちの一番隅っこの小さな穴の中 そこで息を殺して暮らしている 本当は太陽の光を浴びたいな 風に吹かれたいな 草っぱらを、歩いて走って転がりたいな 昔のように 大好きなお友達が居たんだ 小鳥ちゃん 僕を巣穴からお外に連れていってくれた でももういない 天国に行ってしまったから 寂しくて悲しくて怖くて今日も僕は巣穴にこもってる 何もやる気が湧かなくてずっと巣穴で眠る日々 こんな自分は嫌いだけど身体が動いてくれないんだ ほんの少しだけ太陽の光を感じてお外に出てみた もう秋になっていた 小鳥ちゃんがいなくなったあの暑い日からもう季節は変わったんだ 僕の心はあの夏から氷のように冷たいままだ 秋が終わって、冬が終わって、春になったら僕の心ももう少しあたたかくなるかな がんばって生きていたらまた何処かで逢えると信じてる
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