終 俺の体質

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 嫌われやすい?  誰かに嫌われたことはほとんどないような気はするが。 「反対方向にどこまでも悪い縁が積み重なればあっという間に何かに飲まれてしまうでしょう。嫌われないのは山菱君が積み上げた徳のせいなのでしょうね。実にあやかりたいものです」 「よせよ気持ちわりぃ。よくわかんねぇな。その生贄ってのは何なんだ」 「簡単に言いますと人を食う化け物がいるところに人を100人詰めても化け物は山菱君だけを狙って追い回すでしょう」 「ちょっと待て。なんだそれは」 「そうならないよう、良い縁が山菱君を守っているのだと思いますよ。みんなが山菱君が危険なところに行かないように守り誘導してきたのでしょう。だから」  だから?  その一言に嫌な予感がする。 「私と一緒に危険なところに行きましょう。何事も経験です。大丈夫、山菱君は必ず私が守り通します。死なせたりなど決して致しません。ええ、そんなことさせるものですか。お給金だって破格にお支払い致します。そうですね、今も3つほど是非ご協力頂きたい件が」 「いや、それよりもよ」  どことなく興奮しているような土御門の声音になんだか物凄く嫌な予感がしてとりあえず話題を強引に変えることにした。ええと。 「今回のは俺が考えてることが返ってきたってことだろ? 俺じゃなくてもよかったんじゃねぇのか」 「あぁ。今回も山菱君じゃないと無理ですよ。他の人ではあれほどクリアに反応はしないのです。ぼんやりと化け物に見える、とかね。噂もそうだったでしょう?」  風や雷を呼び起こし、恐ろしい唸り声を上げていた。  確かに大火事の現場では強い風が唸り声を上げる。うん? 「雷は?」 「雷は純粋にシュのせいです。ぱちぱちと音がしていたでしょう? あれはポルターガイストという現象でね。誰もいないのに音がなる。時には物が浮く。異人の子どもには極稀にあるものなのだそうです」 「へぇ。そうすっとあのシュはもともと妙な力は持っていたわけか」  土御門はふいに眉を顰めた。
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