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――西暦2193年(宇宙暦93年)1月3日。海王星沖にて。
真っ青に輝く海王星。
観測機のコックピットから、佐和田少佐はボーッとそれを見つめていた。視界の大半を、海王星が占めている。後部観測座席に座っているシャルル少尉は、海王星には目もくれず、観測機器のデータを眺めていた。
彼らは、外惑星観測隊の一員として海王星の有人探査に従事していた。佐和田少佐はこの道20年のベテランであり、シャルル少尉は2192年9月から勤務を始めた新人だった。
シャルル少尉は、とても物覚えの良く、観測業務内容をたった数日で完璧にこなし、今では業務に差し障りなくこなし続けている。
そのような二人が言葉を交わすのはあまりなかった。
だがこのとき、シャルル少尉は、佐和田少佐の様子を見ながら、珍しく言葉を発した。
「佐和田少佐、何を見ているんですか?」
シャルル少尉は、佐和田少佐がこのように海王星を眺めていることは滅多にないことを知っていたため、不審に思っていたのだ。
だが、返ってきた理由はなんでもないことだった。
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