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「全艦に通達。これより、撤退を開始せよ、我に続け。繰り返す、これより撤退を開始せよ、我に続け」
すると、1人のCIC要員が「しかし、我々は挟撃されています。一体、どこに向かえば……!?」と疑問を呈した。
ジョンソン艦長はそれに答える。
「敵艦隊の射線外に位置する低高度軌道に遷移する」
ジョンソン艦長は、第一艦橋にも同様の内容の連絡を入れた。
直後、主機関が最大出力で始動し、高加速を開始した。急激に上昇するGから耐えるため、神田大佐やジョンソン艦長らは手元の柵に捕まった。
「低高度軌道に遷移します」と第一艦橋から操舵手の声がする。
低軌道に遷移するには、どうしても敵艦隊に接近してしまう(関ヶ原の戦いでおける島津軍のように)。そのため、数十秒後には敵艦隊とかすめる形となった。
「第一艦橋、速度上げろっ!」とジョンソン艦長の怒号が飛ぶ。
幾ら近くても、亜高速で航行すれば敵艦隊でさえも補足するのは難しい、という考えに基づいての命令だ。その後、ジョンソン艦長は「機関が焼け切れても構わん!」と付け足した。
Gが強くなった。
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