第二章 奮戦

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 警備艦隊は低高度軌道への遷移に成功し、海王星の表面に沿って、緩やかな円を描きながら、敵艦隊の補足圏外に出ようとした。  この時、既に幾つかの艦が機関損傷を受け、航行不能に陥った艦から順に狙撃されたため、自力で航行できるは3隻ほどに減少していた。  それから程なくして「敵艦隊の補足圏外に達しました」と観測員が報告を行う。  神田司令は、機関が損傷した艦を自力航行可能艦が牽引するよう伝えると、安心したように息を吐いて言った。 「ジョンソン艦長。どうやら、生き延びたみたいですなぁ」 「あぁ。とりあえず、生き延びたと言っていいかもな……」  そして、神田司令は「バナール球Aへの寄港準備」と命じた。  その後、敵艦隊は警備艦隊を追尾することなく、海王星の本影のところで鎮座した。  警備艦隊は、バナール球Aに寄港し、整備作業を開始した。
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