第二章 奮戦

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 アレックス大将は腕を組み直した。 「本当に、アルガミ艦隊とコミュニケーションが取れるのか?」 「はい。交信記録もこちらに」  神田大佐は、アレックス大将の端末に交信記録を送信した。  アレックス大将は、交信記録を端から端までじっくりと読んでいく。 「……これを見る限り、停戦合意は難しそうだな。海王星を明け渡す訳にはいかないし……。力尽くで追い出すしかないか」 「しかし、敵の戦力は絶大です。力尽くで追い出そうとすれば、力尽くで返り討ちにされるかと」 「しかし、敵の狙いが不鮮明です。話し合いの場を設けて、相手との議論を深くするべきだと思います」  アレックス大将の端末をのぞき込んでいたコリンズ大佐が言った。 「まぁ、相手がNE語を習得しているのであれば、その手も使えなくはないか。しかし、そう簡単にいくものだろうか」  とアレックス大将は懐疑的な意見を述べる。 「少なくとも、民間人の避難を優先しましょう。戦争するのに、民間人を巻き込むのは、人道的にいけません」  コリンズ大佐は、声を強めて訴えた。
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