第二章 奮戦

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「民間人の避難にはどれほどかかる?」 「避難シェルターなら、今日の朝までに開口準備ができます。しかし、避難船となると、1週間ぐらいの猶予が必要です」  コリンズ大佐は、淡々とした様子で答えた。 「避難船の方を優先するべきですな」と神田大佐は言う。 「避難民の受け入れはどうするんだ?」  アレックス大将が聞く。 「避難船では1ヶ月間自給自足できるようになっています。避難民の受け入れが決まるまで、火星宙域で待機してもらいましょう」 「わかった」  アレックス大将が、納得したように短く言った。 「第5艦隊から交渉団を結成しよう」 「交渉が決裂した場合には?」  神田大佐が聞く。 「そうなれば……。武力で1週間、稼ぐしかないな」 「できるだけ早く避難完了できるよう、努力します」  コリンズ大佐は、真剣な面持ちで言った。 「では。私は、上に警備艦隊を2つほど応援に来てもらえるよう、上に提言します」
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