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承
『まあまあ…そんな怒らなくても…』
『超腹立つよ!!!』
『でも、真希のことを好きだから言ったんじゃない?』
『分かってないなあ、優希お姉ちゃんは。メイクは彼氏のためじゃなくて自分のためにするものなんだよ!自分を変えてくれるもの!』
『変えてくれる、ねえ』
真希はそう言って、買ったばかりのブランドものの口紅を私に見せた。
『そ、自分を自分じゃない誰かに変身させてくれるみたいな。お姉ちゃんもメイク、いい加減やってみたらあ?顔は可愛いのにもったいないよ』
メイクなんて生まれてこの方、七五三ぐらいでしかやった記憶がない。
興味はあるけど…
『私はいいや…変わったところで見せる人もいないし』
『え〜?そんなこと言ってると彼氏も一生できないよ?』
『私のことはいいの。そんなことより、寒いんだしホットココアでも飲む?作ってあげるよ』
『わ、やった!優希お姉ちゃんありがとう〜!!』
今日もいつもと変わらず真希の話に苦笑する私。
『ふふっ、ほんと相変わらず真希は元気だね』
ーーーいつもと変わらないはずだったのに。
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