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休み時間、一斉にではないが、ちらほらとクラスメイト達が話しかけてくれた。それぞれ名前を教えてくれた。その中には先程の社長もいた。
「香水好きなの?」
「うん、特にフルーツ系の香水が好きなんだー」
「ところでさっき思ったんだけど、身長何センチ?」
「143センチだよ!すごいちっさいでしょ?」
夏奈が答えると、社長率いる生徒達に驚かれた。それからも他愛のない話をした。昼休みはアキラや他の女子数人と食堂に行き、一緒に食べた。
「よかったー、もし友達できなかったらどうしようかと思って」
夏奈がそう言うと、
「大丈夫だってー、うちの学校にいじめとか聞いたことないし」
「あと昨日も言った通り、うちは転校生だらけだから、みんなたいしてじろじろ見たりとかしないよ、そのうちもっと色んな人と話せるって!」
アキラ達は答えた。
最初は緊張していた夏奈だが、無事学校が終わり、寮に着いた。
ここは特別な学校。でも、その中は普通の学校と変わらない。勉強して、昼食を食べ、掃除をして、下校をして……友達ができて嬉しいという気持ちと、自分に足りない感情は何かという疑問とが夏奈の心にあった。
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