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「逃げずに待ってるなんて、きとーさんって思ったよりも真面目なのね」
「人をこんなところに呼びつけておいて
遅れてくるようなあなた達に比べたら、きっと真面目よ」
昇降口の扉を開けて、気の強そうな声が飛んできた。同じクラスの姫川さん。クラスの女子の最大派閥のリーダーで、実際気が強い子だ。眩しい夕日に苛立っていたせいで、つい反射的に強めに返してしまったことを後悔する。やはり夕暮れ時にはいいことがない。
「それで、こんなに大勢で一体何の用かしら?」
もういいや、今日は猫をかぶるのはよそう。わざとらしく小首をかしげ腰に手を当てて、姫川さんとその取り巻き3人の顔をくるりと見回す。私はこういう仕草をする時に、とかく酷薄な印象を人に与えるらしい。姫川さんの後ろに並んでいる娘たちが面白いように息を呑む様子が伺えた。
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