一話【可愛いひと】

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食堂に行き、唐揚げ定食を受け取りながら俺は席を探す。 「あれ?瀬尾さん今からお昼ですかぁ?」 「えぇ!瀬尾さん、ここ座って下さいよぉ」 横から部署は違うが、女性社員が数人猫なで声で話しかけてくる。 「すみません、もう座るところを決めてるので大丈夫です」 にっこりと笑みを浮かべ足早にその場を去る。背後から、"えぇー"っと残念そうな声が聞こえてきたが、聞こえていないフリをした。 俺はまたきょろきょろと周りを見渡しながらどこが空いている席は無いかと探していた時、ふと見慣れた顔を見つけた。 (居た……!相沢だ……!!)
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