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Side A.
朝に瀬尾と出会ってから、頭の中は好きの二文字が支配していた。
(集中できない……)
それでもやらなければならない仕事がある。
カタカタとキーボードを鳴らす手を止めないまま、文字を打ち続ける。
「相沢さん」
ふと名前を呼ばれ顔をあげると、目の前には社内でもよく可愛いと噂される女性が居た。
名前は確か……松山さんといったか。
「は、はい……?」
「相沢さん今日、営業部の瀬尾さんといましたよね?」
(見てたのか……)
瀬尾の話になるのはあまり好きではないが、少しでも嫌な顔を見せれば男性社員達に袋叩きに遭うかもしれない。
「そ、そうですけど。どうかしましたか……?」
僅かに震える声で聞き返すと、松山さんは顔を少し赤らめながら瀬尾について色々と聞いてきた。
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