一話【可愛いひと】

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(瀬尾、もう席決まってるんだ……) 俺は少しがっかりしながらオムライスを食べ続ける。 女性社員の元には行かなかったものの、瀬尾と俺がお昼を一緒にする確率は低い。 (瀬尾とお昼一緒が良かった……かも) 俺がそう思った瞬間、突然近くで瀬尾の声が聞こえてきた。 「お疲れ、相沢。ここ座っていい?」 「……ぅえ?あ、お、おつかれ」 いきなり瀬尾が目の前に来たので驚きで声が裏返ってしまった。 そして、いいよとは言わずに肯定の意味として小さく頷くと、瀬尾はにこにこ笑いながら席に着いた。
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