一話【可愛いひと】

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「相沢は、オムライス?美味しそうだね」 「あ、あぁ。俺、オムライス好きなんだ……」 「美味しいよね、俺も好き」 思わず"好き"という言葉に反応してしまい俺は顔を見られないように俯いた。 (やばい、今絶対顔赤い……!) そう思うとさらに羞恥心が込み上げ、俺はそれを隠すようにオムライスを頬張った。 そしてふとちらりと瀬尾の方を見ると、彼は黙々と唐揚げ口に運んでおり、俺の様子には気づいていないようだった。 (良かった……) そうほっとしていた瞬間、いきなり瀬尾が顔を上げ、俺とパチリと目があってしまった。 (ま、まずい……っ) 赤く染った顔をどう隠そうか考え込んでいた時、瀬尾の方から話しかけてきた。
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