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話が脱線してしまったのだが、簡潔に言うと    いつも挨拶してるのに?────そう思われるかもしれないが、今日彼から挨拶をされたのはたまたまである。 いつもは俺から挨拶をしているし、何なら彼のいつも来る時間を秒単位で把握している。 世間ではこれをストー…いや、約束していない待ち合わせをしている。 彼から話しかけて欲しいという願望もあり、一度だけ、彼と出会っても話しかけずにいたのだが、結局、彼は俺の横を素通りし、仕事場である人事部の扉を開けて行ってしまった。 それからはその実験?をすることはやめにした。 彼にあまり好かれていないことは分かっている。だからと言って諦めるわけでもない。 あんなにも可愛い彼を世の中の奴らが放っておくわけが無いし、俺が放っておかない。  〈〈〈絶対に堕とす〉〉〉 俺はそう決意し、横断歩道へと一歩踏み出した。
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