五話【ウワサの相手は…?】

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悔しくて歯痒くて堪らなかった。 ずっとずっと大切に、こんな身勝手な自分を気づかれないようにと接してきた相手が横から掻っ攫われそうになっているのだから。 否、こんな考えだから好きになってもらえないのかもな。 ふと、そんなことを思う。 ホテルディナーに誘ったときや、いつも話しかけると、愛しい人は笑顔で俺を見てくれる。その時、頬が少しだけ赤いのも俺だけが知っている、だから他が入る隙なんてない。そう高をくくっていた。
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