一話【可愛いひと】

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一話【可愛いひと】

Side S. 会社に着くと、いつも通り俺は営業部内の自身のデスクに座る。 今日の予定は午後から外回りの仕事が入っているが、だからといって午前中が暇な訳では無い。 午前中の予定はプレゼンの為の資料作成。 カタカタとキーボードを叩く音がフロア内に響く。 (……今日はこれ仕上げたら、14時半から明石商事の元へ出向いて契約の説明か) 心の中でこの後の予定を確認しながらそっとため息を吐いた。 ** 資料作りの終わりが見えてきた頃、社内に昼休憩を報せるチャイムが鳴った。 それを聞いた社員達はそれぞれデスクから離れ、一階下の食堂に向かう者や、別の場所でお昼を食べようと、出て行く。 俺も同様に食堂でお昼でも済ませようかと立ち上がった。
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