眼には眼を、歯には歯を

2/7
前へ
/16ページ
次へ
そして、矢橋の件は置いといて俺が早くに登校した理由は、ド偏見生徒会の連中に反省文を提出しなければならないからだ。 とはいえ俺は何もしていないので、とりあえず長々と書いてはみたが要約すれば「もうしませんすみません」というだけの内容になってしまう。しょうがないよね。 いつの間にか着いた生徒会室の前でトントン、と扉を叩こうと右手を握った時、後ろに気配を感じて思わず振り向いた。 「…おや、これはこれは。ナオがお世話になったようで」 「……副会長様」 そこにいたのは副会長の早坂澪(はやさか みお)で、彼はにこやかに─しかし最大限に嫌味ったらしく─俺に笑って見せた。 ああうん、確かに世話にはなったよ。 さんざん構い倒されたからねさっき。でもあれが初対面です。 「その件でお話があるのでしょう?汚らわしいので部屋に入れたくもありませんが、業務ですから。どうぞお入りください」 けっ。……あれ。 汚らわしいなんて初めて言われたよ。……ウソウソ、グレて喧嘩ばっかしてた中学時代にオバサンに何回も言われた!……ん゛ん゛。グレてた話はまた今度。 「澪ちゃんおかえりっ!……あれっ、要らない奴が付いてきてるけど」 「「いらなーい!」」 「……………」 「……出てけ、カス野郎」 一気に喋るなド偏見野郎ども! チャラ男(らしいが俺の前でチャラさを見せられたことは無い)会計の本宮と、ワンコ(というよりケルベロス)書記の芥田遊音(あくた ゆおん)、双子庶務の朝倉來(あさくら らい)と朝倉玲(あさくら れい)。 そんでムカつく俺様会長の紫垣。 あ、俺これ傷ついた顔した方がいいのかな?だって一応いま目の前にいるこのクソ会長の親衛隊なんだもんな。……えー…なんとも思わねぇよ。 「あはは、反省文書いてきたのでサインお願いします」 結論、無視。 俺は全員無視することを決めた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

441人が本棚に入れています
本棚に追加