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そして、矢橋の件は置いといて俺が早くに登校した理由は、ド偏見生徒会の連中に反省文を提出しなければならないからだ。
とはいえ俺は何もしていないので、とりあえず長々と書いてはみたが要約すれば「もうしませんすみません」というだけの内容になってしまう。しょうがないよね。
いつの間にか着いた生徒会室の前でトントン、と扉を叩こうと右手を握った時、後ろに気配を感じて思わず振り向いた。
「…おや、これはこれは。ナオがお世話になったようで」
「……副会長様」
そこにいたのは副会長の早坂澪(はやさか みお)で、彼はにこやかに─しかし最大限に嫌味ったらしく─俺に笑って見せた。
ああうん、確かに世話にはなったよ。
さんざん構い倒されたからねさっき。でもあれが初対面です。
「その件でお話があるのでしょう?汚らわしいので部屋に入れたくもありませんが、業務ですから。どうぞお入りください」
けっ。……あれ。
汚らわしいなんて初めて言われたよ。……ウソウソ、グレて喧嘩ばっかしてた中学時代にオバサンに何回も言われた!……ん゛ん゛。グレてた話はまた今度。
「澪ちゃんおかえりっ!……あれっ、要らない奴が付いてきてるけど」
「「いらなーい!」」
「……………」
「……出てけ、カス野郎」
一気に喋るなド偏見野郎ども!
チャラ男(らしいが俺の前でチャラさを見せられたことは無い)会計の本宮と、ワンコ(というよりケルベロス)書記の芥田遊音(あくた ゆおん)、双子庶務の朝倉來(あさくら らい)と朝倉玲(あさくら れい)。
そんでムカつく俺様会長の紫垣。
あ、俺これ傷ついた顔した方がいいのかな?だって一応いま目の前にいるこのクソ会長の親衛隊なんだもんな。……えー…なんとも思わねぇよ。
「あはは、反省文書いてきたのでサインお願いします」
結論、無視。
俺は全員無視することを決めた。
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