第一章 帝・皇寄宿学院

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悦に歪んだ四つの瞳が此方を見る。 相変わらず、性格の悪い。 まぁ、人のことを言えたギリは無いのだけれど。 唇が吊り上がってくす、とワルい嗤いが漏れた。 「最高に決まってるでしょ。僕が悪と見做したらそれは悪になるんだから、堪らないね。勧善懲悪?笑わせてくれる!こんな愉快な立場があったなんて、もっと早く知りたかったな」 「ハハッ!権力の横暴だぁ〜」 心底楽しそうに騒ぎ立てる二人を横目にこっそりと爪を噛む。そうだ、あんなイヌ如きに脅かされるなんてらしくない。調子に乗った飼い犬には、しっかりと躾をし直さないと。幸いにも来週の新学期から彼が此処に入学する。丁度良いーー、この学院の、正義の鉄槌を下してあげる。 蛇のように真っ赤な舌がちらりと覗いた。
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