七章 xs4

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 黒鍵は伏し目になり口を開いた。 「『氷』はある程度わかったよ。だけど、『火』の謎が解けていないね。これから、佐藤先輩について嗅ぎまわる必要があるの」 「じゃあ、『氷』はどうやったの?」 「まあ、春に氷柱は自然とできることはないでしょう。調べてみると、氷柱は水筒を使えば人工的に作れるそうなんだよ。屋上への行き方も経験者に語ってもらったしね」 「経験者?まあ、ひとまず『氷』のトリックはこれで解けたね」 「トリックはね。でも、トリックが分かっても全てが分かるわけじゃないんだよね。問題はこの時佐藤先輩は氷柱を落とした後に現場から逃げたことになるの」 そこで木戸が言葉を遮った。 「でも、佐藤先輩は部活に入っていないよ。校内に入るのは大変なんじゃないの?」
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