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近所のコインパーキングに雅くんを送って行く。
「靖子さんを抱きたかったのに。今回はお預けか、しくしく」
雅くんが、両目を人差し指でこすった。
「ごめんよ。次は営もう」
「言い方!」
笑って突っ込む雅くん。ふと真顔になった。
「上の空やったし、なんか悩んでるんやろ。心ここに在らずは淋しいよ」
「ごめん」
「力になれないこともあるやろけど、頼ってほしい。話くらいは聞けるよ」
「ありがと」
鼻の奥がツンとした。
「ほんと聞くだけかもしれんけど」
「煮詰まったら、頼む」
「そんじゃまた、週末」
「うん」
雅くんの車が見えなくなるまで、手を振った。
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