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一滴だけだが杜若の目から涙が流れた。嬉し涙だろうか。床に落ちたその一滴を舌先でつつくように舐める。
次の瞬間、目の前が暗転した。視界が変わり、正面から見ていた杜若の後ろ姿となでられているポルシェが映る。
自分の手を確認する。人のものだ。
「よ、良かったぁ~!」
思わず声に出すと何急にと杜若が慌てて振り向く。
「あーごめんごめん。なんでここがわかったの……」
と言いかけたとこで、いつまでもここにいたらあの二人が来るかもしれないと思い、早くこの場から立ち去るよううながす。
杜若は部屋を見渡してからポルシェを連れ外に出る。
後日、僕と杜若の通報および証言により男二人は動物愛護法違反として捕まった。
聞いたところによると僕は突然家を飛び出し行方をくらまし、杜若家に行ったようだ。
そして椿を引っ張り僕、ポルシェの体があるところへ連れてきたと言う。
椿が散歩に連れて行った時、トイレに行っていて目を離したらいなくなっていたらしい。
高校を卒業してたまに杜若とポルシェと遊ぶようになった。
「それにしても一軸君、あの時よくなんのヒントもポルシェの場所が分かったよね。突然家に来て引っ張っていくからほんとびっくりしたよ」
フリスビーをくわえて戻ってきたポルシェが顔を上げる。
ーendー
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