ボムハッカー

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ボムハッカー

キング:「あいつらを裏切る」 クイーン:「ちょっと待って! キング、今なんて言った?」 スペア:「キング、さすがにそれはまずいんじゃないか?」 ジョーカー:「きっキングさん! まずいですって!」 ジャック:「こっ殺されちゃいますよ」 全員が僕の意見に反対した。でも僕はある作戦を考え付いていた。 キング:「大丈夫だ。僕たちは殺されないし、人も殺さない」 クイーン:「だから、意味不明なんだって!」 スペア:「キング、本当に君は面白い(笑)」 スペアは大きな声で笑った。 スペア:「具体的な作戦があるのか?」 キング:「ああ。もちろん」 ジャック:「どっどんな、さっ作戦なんですか?」 キング:「その話をするにはまず、スペアに支給されたそのパソコンのゲームを理解しなければならない」 クイーン:「そうだわ。スペア、あんたパソコン開いて」 スペア:「僕に指図する」 クイーン:「何よ。いつも通りに戻ったじゃない(笑)」 スペア:「は? 調子に乗るなよ」 クイーン:「ちょっと、何? せっかく褒めたのに喧嘩売るつもり?」 キング:「おいおい、ここにきていつもみたいにならないでくれよ……」 僕は悟った。 ――やはり、このチームは最強だ。 スペアはパソコンを起動させた。 パソコンが立ち上がると、モニターには『SPIDER GAME』と文字が現れた。 スペア:「ちっ。マジかよ」 キング:「どうした、スペア?」 スペア:「パソコンと同時にファイルがダウンロードされる仕組みになってて、中身を見てみたんだ」 ジョーカー:「それで、どんなファイルだったんですか?」 スペア:「日本全国民の個人情報だ。それも事細かく記載されている」 キング:「なんだって」 そこには家族構成や口座情報、プライベート情報が細かく書かれていた。 クイーン:「もしかして、私たちの個人情報も書かれてないよね?」 ジャック:「えっ、えっ。そっそんな、こっ困ります」 スペア:「僕らの情報は記載されていない。予めこうなるように計画立てられていたんだろう。ムカつくな」 キング:「政府はこんなことをしてまで、あの計画を実現させたいのか」 全員があの時の発言を振り返り、重たい空気になった。 ジョーカー:「キングさん。どうするつもりですか?」 キング:「こうなったら、僕たちが政府たちを潰すしかない。日本政府虐殺計画だ」 闇取引に関与していたクズな僕たちが日本を救おうとしている。 そんな日が来るとは誰もが思ってもいなかっただろう。 クイーン:「それで? 具体的にどうしていくの?」 キング:「今回は全員が必要不可欠だ。まずはそのSPIDER GAMEというそのアプリを細かく解析して、ゲーム企画を考えていく」 ジョーカー:「ゲーム企画。なんだか楽しそうですね」 ジョーカーは顔を隠すように微笑んだ。 キング:「ジョーカー? どうした? 体調でも悪いのか?」 ジョーカー:「いえ! 大丈夫です」 ジョーカーは慌てて我を戻す。 キング:「まずはスペアだ。スペアのハッキングスキルをここで存分に発揮だ」 スペア:「任せろ。1時間で済ませる」 キング:「頼んだよ。ハッキングでこのアプリの製作者を探ってほしい。そしてプログラムを解析し、そのアプリを利用して計画を立てていく」 スペア:「了解。他の奴は何をするんだ?」 キング:「もう一つスペアに頼みがあるんだが……」 スペア:「なんだ?」 キング:「この部屋のハッキングもしてほしい。監視カメラやこの部屋の構造も全て。これから僕たちは4人は外に出て色々揃えたいことがある」 スペア:「なるほど。了解だ。盗聴器は気にしなくていいのか?」 キング:「ああ。この部屋に盗聴器がないことは分かっていた」 ジョーカー:「なんでないって分かるんですか?」 クイーン:「そうよ。なんで分かるのよ」 ジョーカーとクイーンは互いに目を合わせ、僕に視線を向けた。 キング:「まず内閣総理大臣や他の偉い奴らがここで闇話(ブラックトーク)をしていたんだぞ? そんな会話が外に漏れてみろ、そいつらの人生は終わりだ」 ジョーカー:「なるほど。だからか」 キング:「それとこの部屋は音声電波を外部に感知されないようにもされている。この部屋に入る前、ドア前に小型の精密遮断器が置いてあったからね」 スペア:「本当にキングの洞察力は侮れないな」 クイーン:「この中で一番、頭がいいのもキングだしね」 キング:「そっそう言われると照れるな(笑)」 スペア:「調子に乗るな」 キング:「えっ……」 ジョーカー:「僕はキングさんのこと、尊敬してますよ」 キング:「あっありがとう。そんなことより、まずはこの部屋のハッキングから始めてくれ」 スペア:「オッケー」 キング:「どれぐらいでできる?」 スペア:「5分でできる」 ジャック:「はっ早い」 スペアは支給されたパソコンで、目にも見えない速さでキーボードを叩き始めハッキングを始めた。 スペア:「爆破完了」 クイーン:「やるじゃない。さずがだわ。スペアちゃん」 スペア:「ちっ。うるせぇ」 キング:「さずがだ。世界トップクラスのハッカーだ」 モニターには東京都渋谷区地点に赤いセンサーが点滅していた。 スペア:「まさかこんな近くにこのアプリの製作者がいたとはな」 ジョーカー:「どっどういうことですか??」 スペア:「本来悪質なアプリを依頼するときは海外に任せることが多い。だが、日本人でこんなことができるやつがいるとは思わなかった」 クイーン:「世界中にあんたみたいなやつなんて、たくさんいるでしょ?」 キング:「確かに。クイーンの言うとおりだ」 スペア:「そうなんだが、日本人でこれほどの規模のアプリを作れる奴がいるとはね。」 キング:「なんか思い当たるやつがいるのか?」 スペア:「一人だけ。思い当たるやつがいる」 ジャック:「誰なんですか?」 スペア:「それは……」 スペアがそいつの名前を話そうとした瞬間、モニターでおかしなことが起きた。 スペア:「マジかよ!」 キング:「どうした!?」 スペア:「このアプリを通じて、このパソコンがハッキングされてる!」 クイーン:「ちょっと! なんとかしなさいよ!」 スペアの顔つきが変わり、再びキーボードを叩き始めた。 モニターには東京都渋谷区地点に赤いセンサーが点滅していた。 スペア:「まさかこんな近くにこのアプリの製作者がいたとはな」 ジョーカー:「どっどういうことですか?」 スペア:「本来悪質なアプリを依頼するときは海外に任せることが多い。だが、日本人でこんなことができるやつがいるとは思わなかった」 クイーン:「世界中にあんたみたいなやつなんて、たくさんいるでしょ?」 キング:「確かに。クイーンの言うとおりだ」 スペア:「そうなんだが、日本人でこれほどの規模のアプリを作れる奴がいるとはね」 キング:「なんか思い当たるやつがいるのか?」 スペア:「一人だけ。思い当たるやつがいる」 ジャック:「誰なんですか?」 スペア:「それは……」 スペアがそいつの名前を話そうとした瞬間、モニターでおかしなことが起きた。 スペア:「マジかよ!」 キング:「どうした!?」 スペア:「このアプリを通じて、このパソコンがハッキングされてる!」 クイーン:「ちょっと! なんとかしなさいよ!」 スペアの顔つきが変わり、再びキーボードを叩き始めた。 僕たちではよくわからないコードがずらずらとモニターに出されているが、まるで目の前で決闘が行われているような感覚は肌で感じた。 スペア:「こいつ! 俺の早さについてきてやがる!」 キング:「スペア! なんとしてでも食い止めろ!」 クイーン:「あんたの力、見せつけてやんなさいよ!」 スペア:「今集中してる! 黙ってろ!」 スペアは瞬きもせず、ひたすらキーボードを叩き続ける。 最後のプログラムコードを書き終えた直後、エンターキーを押した音が部屋中に鳴り響く。 スペア:「あっ危ねぇ。なんとか食い止めた」 キング:「はぁ……。さすがだ、スペア」 ジョーカー:「すっすごいです。スペアさん」 キング:「何とか食い止められたみたいだね」 スペア:「ああ。なんとかな」 クイーン:「やるじゃない。事が動く前にこっちの動きが読まれたらシャレにならないわ」 ジャック:「とっとりあえず、よっよかったです」 スペア:「とりあえず、居場所もつきとめたし、このアプリの所有権を俺が握った」 キング:「スペア、戦闘中にそんなところまで手を出していたのか!」 スペア:「まあな。だけど、相手の奴かなりのやり手だった。知識はこちらが有利だが、まさか俺のパターンについてくるとはな」 クイーン:「そのさっき言ってた、思い当たるやつ?」 スペア:「確かに思い当たるやつはいる。だが、こんなレベルの高いやつじゃなかった。」 スペアの一言が部屋を静まらせた。 ジョーカー:「とりあえず、なんとかなったんですから次のこと考えていきましょうよ」 キング:「ジョーカーの言う通りだな。さて、製作者の居場所も分かった事だし、そいつのところにこれから向かう」 ジャック:「こっこれからが、ほっ本番ですね」 キング:「ああ。では、スペアはこのままそのアプリの分析。それと、政府関係のことを徹底的に調査してくれ」 スペア:「了解」 キング:「僕とジョーカーはアプリの開発者のところへ。そしてクイーンとジャックはスペアと無線で連携を取り、政府関係の情報収集を頼む。残り9時間、みんな頼むよ」 クイーン:「無線って、どこにそんなものがあるのよ」 キング:「こういうこともあるかと思って……」 僕は靴底をめくり、無線機を取り出した。 クイーン:「キング、ホントあんたって用意周到ね。それも全員分あるなんて」 キング:「まあね~(笑)」 ジョーカー:「では、この無線機を使って各グループで連絡って感じですね」 ジャック:「ジョっジョーカーさん、頑張ってください」 ジョーカー:「ジャック。君もね」 クイーン:「何よ、あんたたちいつの間にそんな仲良くなってるのよ」 ジャック:「まっ、前からよく連絡とりあっていたので……」 クイーン:「ふーん……」 クイーンはそう言って、ジョーカーに視線を合わせた。 ジョーカーは目をそむけた。 スペアはそのやり取りを黙って見ていた。 キング:「はいはい、みんな行くよ」 クイーン:「はーい。ジャック、行くわよ。スペアちゃんと道案内頼むわよ」 スペア:「言われなくても分かってますよ」 キング:「さあ。日本の未来を守りに行くよ」 ――こうして日本政府虐殺計画が幕を開けた。
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