プロローグ

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プロローグ

     キミと奏でた音を、僕は絶対に忘れない。      花が芽吹くような、心地よい響き。      その1音1音で(つむ)がれる言葉は、何よりも綺麗だった。      『一緒に音楽つくろうよ、私と。』      キミがいたから、僕は一歩前へ進めた。      暗く狭い道をさまよう僕にとって、キミは光だ。       明るく眩しく、美しい光。      そんな光が、たまに悲しく光り出すんだ。      儚く、消えそうな光。      そんなとき、僕がキミの光になれるように。      キミを照らすことができるように。      次は僕が贈る。      誰よりも愛しいキミに、この音を。
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