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つねさんは何かを探すように横に移動し続けていた。
私もそれに倣って移動を繰り返したが、しばらくして何かの碑のようなものが目に入った。
するとそこに旧自然道のような、元は遊歩道であった道を、つねさんは見つけたようで、すぐにそこに入っていった。
私もそれに続いた。
元遊歩道のような道は夥しい量の落ち葉に覆われているため、一見道には見えないのだが、歩いてみると、ここが元は道であったことが少し認識出来た。
またしても通行止めのように木が幾つか倒れ、道を塞いでいた。
しばらくは、その落ち葉と倒木にまみれた元遊歩道のような道無き道を歩き続けた。
そのうちに、落ち葉も倒木もなくなり、辺り一面に溶岩だけが広がっている場所に出た。
もう、進入禁止区域のかなり奥まで来てしまったような気がするが、つねさんと私はその溶岩が広がる不気味な場所をも歩き続けた。
さらに進むとまた崖が見えてきたが、その辺りに何か真っ白い塊のようなものが一瞬見えたような気がした。
だがその近くに、不気味に朽ち果てたような古い小屋が建っているのが目に入った。
私とつねさんは、その小屋の方に吸い込まれるように歩いていった。
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