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沢村と女が、一体何故このような状態になっているのか、私にはさっぱり訳がわからなかった。 こんな白い塊の中に裸になって入り込んで、その状態で、明らかに二人は共に崖の下に飛び込もうとしていた。  つまり二人で白い塊の中に入り込んで、一緒に心中しようとしていたということだ。 白い塊の上部から見え隠れしていたあの黒光りした物体は、どうやら磁石のようだった。 そして白い塊には電線コイルのようなものが綿密に縫い付けられているようだ。 これは所謂、電磁誘導というやつだ。 コイルの近くに磁石を置き、磁石をファンのようなもので高速回転させて誘導電流を発生させる、要するに水力発電と同じ原理だ。 コイルの側で磁界が変化して誘導電流が流れ、それよって白い塊全体が熱を発しながら律動し、律動しながらそのまま二人は、白い塊を食い破るかのように崖の下に飛び込もうとしていた。 私にはそう見えた。 何故に? 私には一体何が行われているのか、正直さっぱり訳がわからなかった。 だが、その刹那だった。 突然、女の裸体が崖の方に素早く動いたのを、私は見逃さなかった。 私は女の裸体にすかさず飛びつき、女の動きを制して、その身体を押さえ込んだ。 その時、女は私を鋭い目付きで睨みつけると、すぐに渾身の力で私を弾き飛ばそうともがき続けたが、私は女の首に腕を回してヘッドロックの態勢を取り、女の脚には自分の脚を絡みつけた。 女は身動きが取れなくなり、しばらくはもがいていたものの、徐々に力が抜けてきて、そのうちに動きを止めた。 沢村の方を見ると、どうやら完全に意識を失っている様子だった。 この女は一体、何なのだ?!
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