18人が本棚に入れています
本棚に追加
軽量スプーンの彼女
あたしの相棒は、軽量スプーン
あたしにかかれば
どんな料理もお手のもの
大さじ1杯 小さじ1杯
顆粒も液体も、この1匙で魔法がかかる
「どうかしら?」
「うーん、もう少しだけ……」
不意に冷蔵庫の内側に手を伸ばすと
ドバーッと
ソイツは、チューブの中身をぶちまけた
「ごめん、俺マヨラーやねん」
飛びきりの笑顔を向けるから
「ううん。美味しく食べてくれたら、嬉しいよ」
あたしもニッコリと口角を上げる
テーブルの下で、震える拳を押さえ込んで
この、味覚オンチめーっ!!
最初のコメントを投稿しよう!