軽量スプーンの彼女

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軽量スプーンの彼女

 あたしの相棒は、軽量スプーン  あたしにかかれば  どんな料理もお手のもの  大さじ1杯 小さじ1杯  顆粒も液体も、この1匙で魔法がかかる 「どうかしら?」 「うーん、もう少しだけ……」  不意に冷蔵庫の内側に手を伸ばすと  ドバーッと  ソイツは、チューブの中身をぶちまけた 「ごめん、俺マヨラーやねん」  飛びきりの笑顔を向けるから 「ううん。美味しく食べてくれたら、嬉しいよ」  あたしもニッコリと口角を上げる  テーブルの下で、震える拳を押さえ込んで  この、味覚オンチめーっ!!
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