18人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、運命の彼女
「なぁなぁ、もしも無人島に1個だけ持って行けるとしたら、なんにするん?」
せーの
「マヨネーズ!!」
「中濃ソース!!」
ウチと彼は、顔を見合わせ、一緒にアハハと笑う
お好み焼き屋の息子と
たこ焼き屋の娘
粉モン天国に生まれた2人は
スーパーの調味料売場で、自然に出会って
夏まつりの屋台の前で、偶然の再会
鉄板で鰹節が踊るように、必然的に恋に落ちた
「もう少しだけ、甘めにせな、アカンやろ」
「もう少しだけ、酸味を抑えた方がええんやないの」
厨房で、額を付き合わせる日々
彼の自家製マヨネーズ
ウチの秘伝の中濃ソース
2つの味のマリアージュ
ちょうど良いバランスが見つかったなら
2人の指にも光る予定のマリッジリング
お店に来たお客さんを笑顔にしたくて
あと、もう少しだけ……
【了】
最初のコメントを投稿しよう!