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ネコの気持ちはわかるまい
小賢しい、鼻につく、可愛げがない。
この辺に加えて「どうせ自分の顔が一番好きなんだろう」と謂れなき罵倒。時々暴力もセットになって俺のオツキアイはいつもろくな終わり方をしない。
そういうところが、と言われるのかもしれないが、別れが確定した瞬間相手のことはすべて忘れるようにしていた。冷たいと言うなら言え、惚れた腫れただけ考えて生きていられるならともかく現実は就活バイト実験レポートに時間を割いた残りに結局セックスだけが目的のレンアイをねじ込んでいた訳で、これで少し楽になる、とむしろ安堵した解放感だけ微かに覚えている。
「これ、このレインボー何とか? の参加者の写真、君だよね?
崎谷 樹君」
だから、考えてもみなかったのだ。終わったはずの関係が自分のあずかり知らないところで多大な迷惑に転じて降りかかってくる……なんてもらい事故のような事態は。
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