裏話

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裏話

アパートに着くと、(あんず)さんがうちのドアの前に立っていた。 「お疲れ(れい)くん」 「おかえりなさい、杏さん」 「きみら、昨日外でいちゃついてたの?」 「え?」 「将希(まさき)が言ってたよ?」 昨日…そうだ。怒られたんだった。 「すみません。暗いから見えないかなと思って」 「そうなの?やるぅ~」 「場をわきまえないといけませんね」 「大丈夫だよー気にしないで。ただびっくりしただけだよ」 「え。細川先生はとても冷静でしたが」 「いやいや。うるさかったよ?帰ってくるなりさー零くんがいちゃいちゃしてた!ってでっかい声で言うんだよ。意味わかんない」 「なにかおかしいでしょうか?」 「うん。2人はそんな仲良さそうに見えなかったからってさ」 いやいや、2人で先生の家に行っているのに。 「零くんまじめだからそーゆーことするとは思わなかったらしいよ?」 「そーゆーこと?とは?」 「で?具体的にはなにしてたんだい?」 「え?」 そこは言っていなかったとは。 「教えてよ、言えないようなことかい?」
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