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【5】
担当編集者の小山さんには、別室で待って貰う事に。
「うん、急いだら余裕!
間に合う、大丈夫・・・」
と、焦りを抑えつつも、先生は下描きを始める。
「切り貼りしますか?」
と私が聞くも、
「大丈夫。
そこまで追い詰められて無い。
人物描写も少ないページだし、背景も簡略化すれば、大丈夫。」
と、物凄いスピードで人物のペン入れを仕上げる。
その後に、私の背景が入るわけだけど。
自分でも最高記録くらいなペースで。
先生から、
「うん、これで大丈夫。
高梨さん、物凄いスピードだね・・・」
と、OKを貰う。
永野さんのスクリーントーン貼りも、簡略化されてはいるけど、物凄いスピードだった。
そして仕上がった原稿の17ページは、他のページに比べて多少密度が低い仕上がりになってはいたけれど、こんな数十分で仕上げたとは思えない完成度に仕上がっていた。
何だかんだ、皆プロだ。
そんなバタバタを経て、完成原稿は無事に小山さんに手渡された。
パラパラと原稿を確認して、
「はい、OKです。
確かに、お預かりします」
と、通常営業的に原稿を受け取ると、出版社へと戻って行ったようだ。
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