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どうしてこうなったのか誰か今すぐ教えて欲しいと、今、切実に思っている自分がいる。 今日は日曜日だからずっとハマって読んでいる漫画の新刊が出たので買うために少しだけ遠出していた。 歩く度にふわふわと舞うチュールワンピースに耳元のイヤリングが揺れてカチャカチャと子気味のいい音を鳴らすのを聴きながら、少しだけ気分良く見慣れた駅を歩いていた。 「あのっ!」 休日で人の多い駅通りをすいすいと抜けて、もう少しで駅から出るというところで背後から声をかけられてピタリと動きを止める。 ゆっくりと振り向くとパーカーにスキニーのジーンズというラフな格好の見知った青年が1mくらい離れた所に立っていた。随分慌てていたのか胸の辺りに手を当ててはあはあと息を吐き出しながら呼吸を整えている。 「あの…っ…」 「っ…は、い?」 普段の彼からは想像できない様な落ち着きのない仕草に、少しばかり大きな声量で先程と同じ言葉を繰り返す姿に思わず返事をしつつ1歩微かに後ずさる。 何故呼び止められたのかも分からないまま、お互いの間に緊張が走るのを感じた。 周りを歩いていた人たちもなんだなんだと野次馬気分でこちらをちらちらと伺ってくる。そのせいで少しだけクラりと目眩がしそうになった。 「…あのっ!好きです!!よければ俺と付き合って貰えませんか!」 「…え…?」 なんの前置きもなく突然言われた言葉が上手く飲み込めなくて、出てきたのは小さな疑問の言葉。 こんな沢山の人の前で何を言っているんだとか、そもそも貴方と自分になんの接点も見当たらないだとか言いたいことは沢山あるのだけれど口下手な自分にはその疑問を投げかけることは出来ないし、所謂というものが突然始まったことによって野次馬が増えて収集がつかない状況になってきている。 周りは口笛を飛ばしたりスマホで動画を撮ったりと様々な反応を示すもののきっと1番知りたいのは皆ただ1つだというのは分かっていた。 「返事を聞かせて貰えませんか。」 そう、目の前の彼が投げかけてきたこの言葉だ。 受けるのか断るのか。 周りの少しだけキラキラとした期待の眼差しと目の前で不安げにこちらを伺ってくる視線。 それらを一身に受けた自分。 触れば潰れるくらいやわやわなメンタルではその圧に到底耐えれそうにもなくて、仕方なく今考えられる1番最小限に被害を抑えられるだろう選択をすることしか出来なかった。 「…よ、よ…よろしく…お、お願いします…。」
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