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あれよという間にソファーからベッドへと移されてとろとろになるまで愛撫をされた。 豊との行為は少し怖くてそれ以上に幸せな感覚を僕にもたらした。 優しく触れてくる手や彼の唇の熱を感じながら、1番熱く、燃えたぎる様に直接感じるその部分からありえないくらいの多幸感を感じて、優しく僕の頭を撫でてくれる豊の首に必死にしがみついて好きだって何度も口にする。 「今度こそずっと一緒だよ。」 ちりって左の胸元に感じた微かな痛みに彼の独占欲を垣間見てそれが今の僕にとってどれほど嬉しいことか彼は分かっているのかな…。 我慢しても漏れる甘い声が恥ずかしくて顔を隠して唇を噛み締めていると豊が見せてって絡まりを解くみたいに僕の腕を退かして、涙や唾液でどろどろになっている僕の顔を見て可愛いって囁いた。 それにお腹の当たりがきゅうってなって、豊が苦しそうに眉をしかめる。 「っ、締めすぎっ。力抜いてっ。」 「ゃ、わかんなっい。」 力を抜くとかそんな余裕全然なくて、初めてなのに豊を離さないみたいに彼を飲み込んでいる所から感じる快感に僕はみっともなく何度も精を吐き出した。 「ゆたかぁ…ゆたかっ…」 「どうしたの?」 気持ちよさに喘ぎながら何度も途切れ途切れに彼の名前を呼んで、肩に額を擦り寄せてこのやり場のない感情を発散しようと試みる。 愛しさが溢れて止まらなくて、彼が僕を責め立てるように動く度に彼の存在を何度も直接僕自身に刻み込まれる。 好きだよ…好き… 「…愛してるよっ…。」 こんなにも彼のことが好きな理由を自分ですら曖昧にしか答えられないけれど、彼は確かに僕にとって人生で唯一のヒーローだ。 「っ、俺も…愛してる縁っ。」 一際大きく身体が揺すられて、豊が僕の中で弾ける感覚を感じた。
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