叶わぬ願い

　あともう少しだけ何だ。
　頼む、壊れないでくれ。
　だが、神様は無慈悲で意地悪。
　俺の願いは叶えられなかった。

「あぁっ!　お菓子の家が────!?!!」

　目の前でヒビ割れ、崩れていく。
　せっかく建てた家は、残骸に変わっちまった。

「……親方。柱のクッキーは、もう少し硬めに焼きましょうよ……」

「馬鹿野郎!　そんなことしたら、子供やお年寄りは食えなくなっちまうだろうが!!」