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夢生子と雁之助と3人の図書館通いは俺が中学に上がるまで続いた。
活字を読むのが嫌いな夢生子はいつも俺に絵本を読ませる。雁之助も夢生子につられて俺が読む絵本を一緒になって黙って聴いている。
それはまるで3人で絵本の世界に入っているような感覚だった。
俺が小学6年生になる頃には、絵本よりも絵本作家に興味を抱くようになった。
年齢が上がるにつれて絵本の奥深さに感銘を受けて、俺もこんな素敵な絵本を作ってみたいと思うようになった。
そして、中学、高校と趣味で絵本を作るようになったのだ。
しかし、それは趣味のままで
安定した仕事につかなければいけないと
固定観念に縛られていた俺は
大学に入ると教員免許を取得した。
売れるかどうかも分からないから絵本作家より将来安泰の公務員を選んだのだ。
だけど、俺が教員試験に合格した頃、それと同時にたまたま応募した絵本コンクールで大賞を取ったのだ。しかも、出版会社から俺の作品を絵本として出版してみないかと話がきたのだ。
しかし、公務員は副業を禁止されている。
俺は将来安泰の教師になるか、食べていけるかどうかも分からない絵本作家の道を進むか悩んだ。
そんな時、夢生子を思い出す。
きっと夢生子なら迷わず絵本作家の道を選ぶだろうと...。
俺は教師を諦めて絵本作家の道を歩むことを決意した。
だけど、当然両親は絵本作家になることを反対した。
折角、教員免許を取得したのに何を夢みたいなことを言っているのかと。
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