相容れない、あなたと私

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理由が理由なだけに 警察沙汰にはならなかったものの、 お偉いさんから呼び出され、私は尋問の日々。 そのセクハラ上司は左遷されたのだが 私はというと暴力行為で懲戒処分。 だけど、同じ部署の人たちからは ヒーローのように崇められた。 そして、 明日香ちゃんや他の職場の人たちが 何とか私を辞めさせないように 上の人達に取り入ってくれたのだけど、 「皆さんのお気持ちだけで十分です」 と、そこで私は格好をつけてしまったのだ。 ああ、あの時、 自分に酔ってあんなことを言わなければ... 意地でも会社にしがみついて 辞めなければ良かった。 日々、減り続ける通帳の残高に 私の神経もすり減っていくのだ。 どうしよう... ここの家賃は高くないとはいえ、 この残金では住み続けることは不可能だ。 かといって、引っ越し資金も安アパートを 借りる敷金もない。 もって、一か月かそこらだろう... とうとう、切羽詰まってきた私は なんとかこのピンチを乗り切れないかと頭を働かせる。
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