相容れない、あなたと私

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「実は、勤めてた会社クビになってさ。 それで、今住んでるとこ家賃払えなくなりそうなんだよね..」 昔から、お母さん代わりに相談してきた清子おばちゃんに私は正直に今の状況を伝える。 『大丈夫なんね?お金なんぼか送ろうか?』 「ううん。ありがとう。 それは大丈夫なんだけど..」 『あっ、そうだ!!役場に勤めてる独身の子がいるんじゃけど 夢生子ちゃんこっちに帰ってきてお見合いせんかね? 37歳で夢生子ちゃんとは歳は離れてるけど優しそうな人よ?』 うわっ、早速お見合いの話きたーーっ。 しかも、優しそうだけがアピールポイントの人は大抵何かあるのだ。 「う~ん...今は結婚とか考えてないから 今回は遠慮しておこうかな...」 『え~、いい人なのに勿体ない。 朔太郎にも毎回お見合い勧めるんじゃけど 全然、取り合ってくれんけんねぇ』 でしょうね... 初対面の人に対して鉄壁の防衛力の朔ちゃんがお見合いなんぞに承諾するはずがない。
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