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「そんなことより、清子おばちゃん。
朔ちゃん、郊外にお家建てたって
言ってたじゃない?
仕事が見つかるまで朔ちゃんとこに
お世話になろうと思って。
だから住所教えて」
『ああ!それがええ。ちょっと待ってね』
そして懐かしい保留音の後、
『夢生子ちゃんお待たせ。
朔太郎の住所は×△市の××1丁目..』
私は慌てて部屋の中からペンを探し出すと
ポストインされていたチラシを見つけてその裏に朔ちゃんの住所を書いていく。
「おばちゃん、ありがとう。」
『朔太郎に私から連絡しとこうか?』
「ううん。大丈夫。
きっと朔ちゃんのことだから
最初に連絡したら門前払いでドア開けてくれないと思う。」
『ハハッ。そうじゃね。
まあでも、朔太郎はあれでいて情に脆いところあるから大丈夫だと思うよ。
まあ、朔太郎に断られたら、
こっち帰ってきて見合いすればいいし。』
絶対嫌だ!
なんとしても朔ちゃんとこに
転がり込んでやる。
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