地獄で光ったそれは

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「…終わりか。他愛もない。お前の負けだ、4771番。明日からも最終到着者には罰を与える。…その前に、今日の最終到着者である2975番へのマグマ地獄結構がまだだったな」 そう冷たく言い放ちおじいちゃんの方へ歩いて行く百鬼。百鬼が一歩一歩地面を鳴らすたびに、空間に緊張が走る。 ぴたり。 …百鬼が足を止めた。 「…………何の真似だ」 「っ…やめ、ろ…」 血の流れる体を引きずって地面を這いつくばり、何とか百鬼の右足首を掴むことができる。百鬼はまるで虫けらを見るかのような眼で下方にいる私を見下ろした。 「俺はしつこい女は嫌いだ。お前は敗北した。止める権利などない」 「まだ…ギブアップしてない…。勝手に敗北を決めつけたのはあんただけよ…!」 「…!」 一瞬、百鬼が昨日のように目を見開いたように思う。だがすぐに怪訝な顔つきを取り戻して、私に刀を突き立てようとした。 「はい、そこまで」 …百鬼が私の身体寸前で刀を止めたのは、勿論自制じゃない。つい最近聞いたばかりの穏やかな声の持ち主が、百鬼の手を掴んで止めてくれたのだ。何の目的で止めたかなんて全く分からないけれど、訪れるはずだった想像を絶する痛みが襲ってこなかったことに少なからず息が荒がるほど緊張が解けた。そしてその安堵から、私は自然とその人物の名前を口に出した。 「黄緑……さん、」 「重罪人とはいえ、女の子相手にやりすぎなんじゃないの?百鬼」 「…………何をしに来た。誰が何と言おうがここは俺の島。俺のやり方に口を出すな」 百鬼は自分より背の高い黄緑の顔を見上げ、圧を強めて威嚇した。そんな百鬼に黄緑さんは、あーこわいこわい、とおちょけて地面にうつぶせのまま横たわっている私を優しく抱き上げてくれる。 「さくらちゃん、大丈夫かい?ひどい怪我だ」 「あ…は、い。でもどうして、」
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