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「私が王妃に内定!?」
「最後は陛下直々にお前を選んだそうだ。どうする?」
「なる!なるなるなる!」
はしたなく、私は父に詰め寄った。断るなんて選択肢はない!天に登るような気分だった。
小さい頃から憧れていたあの憧れのユリウス陛下の妻になれるならなんでもしようと今まで頑張ってきたのだ。
彼…ユリウス陛下はこのクイニー王国の国王である。
私は幼い頃から、彼に憧れていた。
父と先王陛下が近習であったよしみで、よく宮殿に遊びに連れてかれていた私は、いつも優しく、聡明な3つ年上の彼に幼い頃から恋をしていた。だから彼に、国王の妻にふさわしい女性になるように、勉強、芸術、社交、体力作り、帝王学からお妃教育まで、日々血の滲むような努力をして、どれも一流と言われるまでに極めて来たのだ。他にも数人いたお妃候補の中の誰にも負けない自信はあった。
ついにこの時が来たのかという思いだ!あぁ神様こんなにも幸せをありがとうございます。
喜びに胸が熱くなり、これからの生活に胸が高鳴る。
幼い頃大好きだった物語であったなら、こうしてお姫様は王子様と幸せに暮らしましたとさ 完
となる所である。
しかし、実際の所、ここからが物語の始まりなのであった。
否応なくそれを実感したのは、それからしばらく後の事であった。
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