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一体どんな方法で、何とかしようと言うのか
切原から『一度会って打ち合わせしましょう』との話があり、明日の仕事が終わった後に会う約束をした。
嘘つき屋のホームページには、電話番号のみで住所などは書かれていない。
事務所などはなく個人経営なのだろうか。
近くのファーストフード店で会うことになっているが、この切原も近くに住む人物なのだろうか。
そんな疑問ばかりが浮かんできた。
“嘘つき屋”という得たいの知れないものに対する恐怖はまだ残っているものの、切原という男は悪い人ではないと感じた。
一段落したらお腹が空いてきた。
妻の用意してくれた朝食を食べる。
魚は冷めきっていたが、温める気にはならなかった。
妻は今何処で何をしているのだろう。
連絡をしようとも考えたが、今連絡をした所で何を話せばいいのか。
きっと何を言っても言い訳にしかならない。
だったらせめて、明日切原と会ってから妻に連絡しよう、そう考えていた。
その後も何もやる気にならず、ただ長い時間が経つのを待っていた。
「明日は仕事か…」
そう呟きながら、身が入らないであろう明日の業務のことを思った。
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