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妻を追いかけるようにリビングへと向かう。
リビングに入ると、妻は台所に立っていた。
『ねえ、カレー、作ったの…?』
そう言いながら、俺の作ったカレーを見つめていた。
あの時、台所で妻が立ち止まって見ていたのも、このカレーだったのだと気が付いた。
「うん。前に恵子に教えて貰ったのを思い出して…」
『…食べてもいい?』
「うん。恵子のカレーには程遠いけど。」
笑いながらそう言うと、妻もニコッと微笑み、2人分のカレーをよそった。
「…どう?」
緊張しながら感想を聞く。
『まあまあね。』
そう言って笑う妻は、何故か少し切なそうに見えた。
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