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隠された真実
『いやぁ、でも良かったね~。』
大きな独り言のように、“宮野香”を名乗っていた小柄な女性、本名 立花架純が呟く。
『途中、何度かハラハラしたけど、無事に仲直りできて良かった良かった!』
隣を歩く切原が、そんな立花架純をチラッと横目で見て口を開く。
「昨日はありがとな、急な依頼受けてくれて。」
『いいえ~。報酬はちゃんと戴きますので!』
立花架純は、そう言って両手を切原に向かって差し出した。
「あー、はいはい。また後でな。」
切原と立花架純は昔からの知り合いで、今は仕事仲間として関わることが多くなっている。
『まぁ、旦那さんはこれに懲りて、もう浮気しなければ良いねー。』
「ん?あぁ、それなら大丈夫だろ。」
『え?何で…』
立花架純が切原に質問しようとした時、後ろから『嘘つき屋さん』と呼ばれる声がした。
切原と立花架純が同時に後ろを振り返る。
そこには…
中村恵子が立っていた。
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