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恵子はこの時、孝一郎以外にも何人かと関係を持っていた。
そうやって複数人に養って貰いながら生活をしていたのだ。
しかし、ある日この生活に変化が起きた。
関係を持っていた中の1人と、突然連絡が取れなくなった。
それ自体は恵子にとって大したことではなく、また新しい人を探そう…くらいに考えていた。
しかし、街で偶然その人を見かけた時、隣には若い女がいて、腕を組んで歩いていたのだ。
それを見た時に、恵子は気付いた。
“自分はその男性に捨てられたのだ”
“自分より、若い女を選んだのだ”と。
今まで、“一生この生活を続けられる”と思っていたが、段々と自分は年を取り、男性を魅了することが出来なくなっているのではないか…。
今のままでは、いずれ皆から捨てられて1人になってしまうのではないか…。
そんな不安が頭を過るようになった。
安定した生活を送る為にはどうしたら良いか、恵子は考えるようになった。
恵子の頭の中には、段々と“結婚詐欺”の計画が大きくなっていっていた。
そんな時に見つけた、1件の広告。
それが“嘘つき屋”だった。
そこから、恵子の計画は動き出したのだった。
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