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壊れた幸せ
中村孝一郎 32歳。
一般企業で働く俺は、去年妻の恵子と結婚した。
恵子との出会いは、1年半前に近所の居酒屋で一緒になり、たまたま話をしたのが始まりだった。
九州から上京してきたという彼女は知り合いがおらず、「どこか美味しいお店教えて下さい」という話から、その後度々一緒に食事をするようになった。
優しく、笑顔の可愛い彼女に惹かれていくのに時間は掛からなかった。
出会って2ヶ月で2人は付き合うようになり、あっという間に結婚の話になった。
スピード結婚に周りは驚いていたが、彼女の“唯一の近親であるお祖母さんにウエディングドレス姿を見せてあげたい”という想いから、早めの結婚を決めたのだ。
彼女の両親は彼女が高校生の頃に亡くなっており、それからはお祖母さんと2人で暮らしてきた。
九州を離れたきっかけは、従兄弟が九州に帰って来て、お祖母さんの面倒を見てくれることになったからと話していた。
昔から苦労をしてきた彼女を、絶対に幸せにしよう!
そう心に決めて結婚したのだ。
俺は女性と関わることはあまり得意ではないし、本当に彼女を愛しているので、他の女性に興味を持つことはない。
…と思っていたのだけど、、、
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