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『えー、でも旦那さん可哀想!!
奥さんに騙されて結婚して、この先どうなるんだろ…』
立花架純が今度は哀しそうに言う。
「大丈夫だろ。たぶんあの奥さんも、旦那のこと愛してるよ。」
『えっ!?』
「まあ、最近だろうけどな。」
「ただ、騙す対象だったから、自分じゃ“好きだ”って認められないんだろ。
だから、誰かに言って貰いたかったんじゃないか?“あなたの敗けだ。このまま本当の夫婦になったらどうか”って。」
『うーん…そんなことある??
好きだったら好きでいいじゃん!よく分かんない。』
「はは、お前には分かんなくていいよ。」
立花架純は『えーー!』と言って、ふてくされた顔をした。
「そうじゃなかったら、俺の仕業だって分かってて離婚を取り止めたりしないだろ。
…まぁ、幸せになってくれたらいいな。」
切原は独り言のように小さな声で呟いた。
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