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孝一郎は、騙されていた事を知らない。
きっとこの先も、一生知ることはないだろう。
嘘をついたという少しの後ろめたさを持ったまま、それでもこの幸せを守る為に嘘を隠し続ける。
恵子もまた、幸せを守る為に騙していた事を隠し続ける。
罪悪感を抱えたまま…。
それでも、2人が幸せならばいいのだろう。
嘘はいけないこととは限らない。
世の中、知らない方が良い事だってたくさんあるのだ。
何が本当で、何が嘘かなんて分からない。
自分の信じたものが嘘かも知れない。
それでも良いじゃないか。
信じたいものを信じて、それで幸せならば。
真実を知ることで壊れてしまう幸せだってある。
だから人は嘘をつくのだ。
自分の為に、
大切な誰かの為に…。
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