壊れた幸せ

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翌朝、電話の音で目を覚ました。 色々と考えているうちにいつの間にか寝ていたらしい。 携帯を見ると『田崎部長』の名前が表示されていた。 一瞬にして目が覚め、ガバッと飛び起きて急いで電話に出る。 上司からの電話ということもあったが、 一昨日一緒に飲んでいた部長に聞けば何があったのか分かるかもしれない。そう思ったのだ。 「おはようございます!中村です!」 『あ、中村くん、おはよう。』 「あの、一昨日はすみませんでした。」 『あ、いや…こっちこそすまなかったな…』 田崎部長はもごもごと言いにくそうにそう言った。 何故部長が謝るのだろう…? 「あの…すみません、正直に言いますと、僕一昨日の記憶が殆ど無くて… あの時、何があったんでしょうか。」 『えっ!君もなのか…? 実は私も記憶がなくてね…。随分と飲んでしまったようなんだ。』 「部長もですか!?」 『ああ、気が付いたら朝だったよ。』 「あの、部長は…朝どこで目覚めましたか?」 聞きにくいことではあったが、もしかすると自分と全く同じかもしれない、それを確認したかった。 『朝か?自宅に帰っていたよ。』 「え…」 『妻からは、夜中に抱えられながら帰ってきたと聞かされたよ。…てっきり君が家まで送ってくれたんだと思っていたんだが…』 『他人に迷惑をかけるな!って妻に怒られたよ…。』 苦笑いをする部長の顔が浮かんだ。 『今日はそのことを謝ろうと思ってね。 休みの日にすまなかったな。』 その後部長の覚えていることを色々と聞いて電話を切った。
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