失われた記憶

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失われた記憶

目を覚ますと、そこには見慣れない風景が広がっていた。 見慣れない照明、 広すぎるベッド、、 そして、、、 ボーッと眺めていたが、ふと我に返り慌てて飛び起きた。 「なんだ、これは… どうなってるんだ…!?」 露になった自分の肌と、ベッドの隣に脱ぎ捨てられた服を見ながら、そう呟いた。 混乱する頭で昨日の記憶をたどる。 昨日は、 仕事終わりに部長と飲みに行って、 それから… それから…?? 飲みに行ってからの記憶がない。 いつものように部長の愚痴や自慢話を聞かされて、、、それから、、、 頭をクシャクシャと掻きながら、ベッドから降りて部屋を見渡す。 ぐるっと部屋中を見渡した後、机に1枚のメモが置かれているのに気がついた。 近付いてそのメモを覗き込む。 『楽しかったね♡』 「うわっ!」と思わず声を出しながら後ろに仰け反ってしまった。 なんだ、どうなってるんだ!? これじゃあ、まるで女性と一夜を共にしたみたいじゃないか! う、浮気してしまったってことなのか…!? いや、そんな筈はない! 妻以外で一夜を共にする相手なんていないし 俺はそんな軽い人間じゃない!! そう自分に言い聞かせながら、急いで服を来てホテルを飛び出した。
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